アレルギー性鼻炎や花粉症の治療法
アレルギー性鼻炎や花粉症の治療法には、下記のような治療法があります。
内服や外用薬(点鼻薬)など薬物療法
薬物療法は、アレルギーを抑える薬や点鼻薬、鼻スプレーなどを使用して、アレルギー反応を抑えます。薬にも色々な種類があり、患者さまの症状や体質に合わせて薬を処方します。
減感作療法
減感作療法は、アレルギーの原因物質のアレルゲンのエキスを極少量から体内に投与し、少しずつエキスの量を上げていって体をアレルゲンに慣らしていくという方法です。こちらはアレルギー性鼻炎について、根本的治療といえるでしょう。
ただ治療に2~3年はかかり、ご本人の飲んでおられる他科の薬や、治療中の疾患によって治療可能かどうか、制限がかかってくることもあります。
レーザー治療レーザー治療は、アレルギー体質を根本的に治していく治療ではありませんが、レーザーを鼻粘膜に当てることによって、アレルギー反応による諸症状が出にくくなる治療です。
当院では、炭酸ガスレーザー装置を使用します。
炭酸ガスは水分に吸収される性質があるため、レーザーを照射しても鼻の粘膜の浅い層のみを凝固し、内部組織にダメージを与えません。
器具の消毒と感染対策にも十分に配慮し、有効で安全な手術を行います。
レーザー手術はどんな人にお勧め?
- 妊娠中、授乳中の方。
妊娠、授乳中だと、薬をできるだけ飲みたくない方が多いかと思います。妊娠中は循環血漿量が増えて、むくみやすくなりますから、普段より鼻が詰まりやすくなります。 - アレルギー性鼻炎で、鼻閉型の方。
薬を飲み続けないと鼻が詰まってしまう方には有効です。
ただし、鼻水やくしゃみの方が圧倒的に多い方の場合、レーザー治療が適さない時もあります。 - 色々と薬を飲んでいて、飲み薬の種類を増やしたくない方。
- アレルギーの薬を飲むと眠くなりやすい方。
- アレルギーの薬が効きにくい方。
※13歳以上の方が対象です
レーザー手術を受けていただくにあたって
まず、外来にお越しください。
受診時に、ご自身のアレルギー歴、過去に検査されアレルゲン検査の結果についてなど、詳しくお聞きします。
また、現在内服中のお薬や、治療中の病気についてもお聞きします。
お薬手帳や、過去の検査データをお持ちでしたら、ぜひお持ちください。
診察
受診されましたら、レーザー手術の適応であるかどうか、鼻を中心に診察させていただき、アレルギーの原因について調べたりします。
その後、どのような治療法が適切かどうか、患者さまにお伝えしながら、ご相談を進めていきます。
レーザー治療の方法
麻酔
鼻の中に、局所麻酔薬、粘膜収縮剤をそれぞれ染み込ませた綿花を約15分間留置して、鼻粘膜表面を麻酔します。
施術
その後、鼻内をカメラで確認しながら、主に下鼻甲介という粘膜全体にレーザーを照射していきます。途中、もし痛みを感じられましたら、更に麻酔を行います。
両側の照射で10~15分、計30分ほどで終了です。
レーザー照射後
レーザーを照射すると、1週間ぐらいの間に一旦鼻粘膜が腫脹し、炎症が起こり、鼻水が溜まりやすくなります。そして、照射した部位にカサブタが出来たりするので、鼻内の処置を行います。
2週間後、残っているかさぶたを取り除きます。
鼻内の粘膜の状態は落ち着いてきて、鼻の詰まりも改善していれば、終了です。