今、日本中でインフルエンザが流行しています。
インフルエンザA型が主流ですが、現場で感じることは、今年のA型は熱があまり上がらない方も結構いらっしゃいますので、微熱でも心配ですね。
熱が37度前半ぐらいしか上がっていない、または発熱してからまだあまり時間が経ってない(発熱から3〜4時間)ような方の場合、当院では写真の器械を用いて、インフルエンザウイルスの検査をしています。
富士ドライケム IMMUNO AG1といいます。
本来、インフルエンザウイルスの検出には、迅速診断キットを院内で使って検査します。
鼻の奥から鼻水を細い綿棒で取って、それを検査液に入れ、その液をキットに滴下して5〜10分反応を見ます。インフルエンザ陽性なら、Aの所に、B型ならBの所に印が黒ないしカラーで出ます。それで判定するのですが、まだ感染初期でウイルス量が少ない場合、その印がはっきりと色濃く出ません。うっすらでも印が出た場合、陽性と判断しますが、出ない場合陰性になります。
この器械は、その印が見えない場合、特殊な技術を用いて100倍以上に増幅して(写真の現像プロセスで用いる銀塩増幅技術の応用だそうです。開発元の富士フィルムさんならではの技術です。)陽性かどうか検出することができるのです。
ですので、肉眼だと陰性になってしまうケースも、器械の技術を利用すると陽性だということもあり得るのです。 ただ、増幅して識別するため、通常のキットによる検査時間が5〜10分なのに比べ、最大15分と時間がかかります。
こちらの器械でも、通常の検査キットでも、費用は同じで保険適応ですので、ご安心ください。 詳しく症状の経過をお聞きして、それからどちらで検査した方が良いか判断させていただています。